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西日本最高峰、石鎚山登山

10月18日 晴 石鎚山(いしづちさん)1982m

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ロープウェイがある百名山だ。近畿以降の西日本では一番高い山となる。ロープウェイ使用で片道3時間、往復6時間程度。登山というからには7~8時間歩きたい私にとっては、ハイキングだ。それと、往復1950円は私には高い。麓からガッツリ歩いていくことにした。




<ルート>
7:00西之川―岩原―刀掛―十字分岐―天柱石―夜明峠―弥山(石鎚山神社)―夜明峠―八丁―刀掛―岩原―西之川17:00

行程 10時間
歩行距離 19km
標高差 1590m







バイクは駐車場代300円。車は500円。10月土日はロープウェー始発が7:40。季節とシーズンによって、稼働時間が異なるので要注意。駐車場はまだまだ空きがあった。
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7:00 ロープウェイ麓駅を横目に、駐車場を出発。
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10分ほど歩くと、「西之川」バス停と登山届けポストがある。
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この酷い登山届けを提出。チラシの裏紙すら持っていなくて、こんなのに書くしかなかった。決してふざけているわけではない。
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登山口は階段から始まる。
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古い集落があり、立派な石垣と石畳が続く。今は住む人はおらず、家は空き家で朽ちているものもあった。廃村。路地もいくつかあり、登山道はこっちでいいのか不安になるが、流れで進んでいけば間違えることはない。石鎚古道として散策路になっているようだった。朝7時台で日は昇っているが、谷あいの集落のため、まだ日が届かず薄暗く、少し不気味であった。

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自然の家のフィールドワークエリアでもある。ところどころに指令があった。これは無茶振りだろう。
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橋に出た。フィールドワークはここで終了。古道散策から、いよいよ登山が始まる。
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奥には滝が見えた。
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川に沿って、写真左側の石段を上る。
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森林の手入れがされていて、見通しの良い森だった。この岩の下から水が湧き、川が始まっていた。山と高原の地図には未記載の水ポイントだ。気温が低いせいか、夏ほど水の冷たさを感じなかった。でも軟らかくて美味しい水だった。
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8:33「岩原」でかい岩があった。
石鎚山の地図の製作者は、かなりの健脚と見た。1:20かかる距離で、私も結構頑張って同タイムだった。
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山に沿って奥へ奥へと歩みを進める。山の懐に入っていく気分だ。だらだらとメリハリのない山道、距離稼ぐように歩く。ようやく日が差してきたのか、日が差す高度まで上がったのか。薄暗かった山が明るくなってきた。

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9:06「刀掛」 祠があった。石鎚山は、昔から信仰登山の盛んな霊峰だった。ポイントには祠が見受けられた。下の廃村も、昔は修験者のための宿泊所だったのではないかとも考えられる。
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刀掛を過ぎると急にレベルが上がる。これは新しい橋だから、安心して渡れる。
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次に川を渡る。渡渉があるなんて聞いてない!!と思ったら、水に浸かることなく岩から岩へ渡れた。
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この橋が一番怖かった。苔蒸してて滑るし、3本渡してある丸太のうち2本が腐りかけていた。
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次はどっちに行けばいいですかー?赤テープどこですかー??
このルートからの登山者が少ないため、赤テープの距離が遠くて非常に分かりづらい。何度か迷いそうになった。
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9:51「十字分岐」
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紅葉はビミョー。
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10:21「天柱石」 お分かりだろうか。巨大な柱のような岩を。
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岩の下に祠があった。
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急勾配の坂を踏ん張ると、展望が開ける。そして稜線に出る。ここまで来て、この日初めて、登山者と出会った。夜明峠から下山してきた60代くらいの男性だった。点線ルートの上級者コースを上ってきて、私が上ってきたルートで下る強者だった。
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11:35「夜明峠(よあかしとうげ)」
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ここで5人パーティーに吸収合併され、にわかに6人パーティーになった。愛媛、岡山、広島からの男女混合パーティーで、好きなアーティスト繋がりでネットで知り合って登山に来たメンバーだった。見た目20~40代で、女子は山ガールファッションだった。おしゃれで可愛い格好だった。

私もファッションに気を遣い、山ガールっぽい格好をしたいと、多少は思う。しかし、山登ってる人は分かると思うのだが、笹や藪、木の枝に生地が引っかかるのだ。山ガールるんるん♪でゆるくやってる人は経験したことがないかもしれないが、特に下半身、ショーパンにタイツ、靴下だと、登山道によってはほつれまくる。私は、長く大切に着たい山服を、経年劣化以上に傷めたくない。だから引っ掛けやすい衣類の下部を保護目的で、ゲイターを着用していることが多い。ファッション性よりも、機能性だと私は考えている。その考えが、私のファッションセンスを残念にしている要因のひとつだと思う。


・・・そんなことを考えながら、パーティーと共に山トークしながら上る。ペースはやや遅く、私にはちょうどいい休憩になった。パーティーが休憩のため止まったので、私は彼らと別れて先に行かせてもらった。


石鎚山といえば、鎖が有名。でも紅葉シーズンの土曜日となれば、ご覧の通り順番待ち。
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鎖はちょっとやってみたかったが、待ち時間がもったいない。一から三の鎖まで、全ての箇所で渋滞。それぞれに迂回路が用意されている。私は迂回路を行く。
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標高を上げていく。展望が良くなる。
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頭がへこんでる、日本300名山の「瓶ヶ森」が見える。
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トイレ建設中。
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トイレを過ぎると、頂上まではほぼ階段が続く。
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景色はいいが、紅葉としてはあまり美しくなかった。
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12:23「山頂山荘」 ここで山バッジを購入。
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あのマッターホルンみたいなところが、天狗岳で、最高峰、そこに行くために、長い行列ができている。順番待ちの列だ。
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並んでる人が、「1時間はかかるな」なんて話している。ロープウェイ組はいいじゃないか。私は日没との戦いなんだ。貴重な1時間、行くのはやめた。待ってなどいられない。

それにしても、すごい人だ。
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人、人、人!!!
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キモいなオイ!!!(´д`;)


休憩する場所すらないじゃないか!


とりあえず、写真。
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山頂スペースから、ちょっと下ったところを陣取って休憩。
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山頂の大混雑の中休憩してきたと思われる人たちが、「おねえさん、特等席だね。いいね」と下山時に声をかけてくる。嫌味に聞こえなくもなく、「良かったら隣空いてますよ!」と笑顔で爽やかに返しておいた。


実は上ってくる間にひとつ、私の大事な仲間を失ってしまった。
休憩後に立ち上がりザックを背負ったときだった。ボトッと落ちて、そのままゴロゴロと斜面を下っていき、藪の中に消えた。貴重な水700mlとともに―
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藪の向こうには、川が流れている音がした。急斜面であり、自分も転落する恐れがあるとし、捜索本部は走査を断念した。今年からデビューしたボトルで、カモスポ(松本にある登山ショップ)の限定モデル。軽くて丈夫で使いやすくて、匂い移りがしにくくて・・・。私はとても気に入っていた。北海道から東北まで、苦楽を共にしてきた仲間だった。悲しい別れだった。そして、手持ちの水を半分以上を失ったのもまた、大きな痛手。

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ただ幸いなことにこれ1本だけ、手持ちの水が残っていた。これは昼飯パスタ茹で用に持ってきたやつだ。パスタを茹でるのに300ml使う必要がある。しかし下山200mlだけで足りるとは到底思えない。パスタは諦め、水は下山用に残すことにした。行動食のおにぎりと、ケーキ2切れが昼食。パスタのためにガス、ストーブ、コッヘルを持ち上げた意味はなくなった。ザックが重いだけで、修行だった。


四国の山にも森林限界があった。
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この雰囲気は長野県の2000m前後の山の風景に似ている。志賀高原、破風岳、根子岳辺りみたいだ。
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標高は高くはないが、幾重にも連なる青い山並みが美しかった。
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1:00下山開始
あとはトコトコひたすら下っていくのみ。

日が傾き、午後を感じる。日没を焦る気持ちが出てくる。
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階段が多い。
珍しく、膝に来た。左膝外側が痛む。
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14:07「八丁」
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休憩中の広島県民F氏に話しかけられ、山トークが始まる。「長野県、いっぱいいい山があるじゃん」と言われた。登山してるとよく言われる台詞のひとつだ。F氏も山が好きすぎて、年5~6回アルプスまで遠征しに来るそうだ。山トークが尽きなくて困る。

私は、下りはロープウェイ使おうかどうしようか、心が揺れていた。F氏に「下りも歩くんでしょ、頑張って。俺はロープウェイだけどww」と、下山も徒歩フラグを立てられたため、ロープウェイで下りたいとは言えない雰囲気に。徒歩で下りますとも、えぇ!

F氏と別れ、日没との戦い再開。成就から下るつもりが、八丁から下山コースに入ってしまった。登山届に記載したルートは、行きも下りも完全に無視。今度は登山届けに「気分でルート変更の可能性あり」と記載しようと思った。
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どこで失くしたのか。腕時計。またひとつ、旅の仲間を失った・・・。
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この山では失くす物が多すぎる。1000円の割には10気圧防水と性能が高い、シンプルな赤い腕時計だった。付き合いが長く愛着があり、気づいた時には泣きそうだった。どこに行ったか、行方不明の腕時計にごめんと謝り先を急いだ。



日没カウントダウンをひしひしと感じる。
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一箇所、迷った。赤テープが下に落ちている場所から、次のテープがどうしても見つからない。道の先には草木が茂り、道らしき道がなかった。焦っていたのもあり、周囲を見渡しても、どこへでも降りられそうな木々の幅で、全てが道に見えてくる。GPSと地図で、およその現在地を割り出し、地図上では登山道が南南西に伸びているのを確認。そっち方面に下りてみたら、登山道に繋がっていた。貴重な時間を使ってしまった。迷うことは想定していなかったから、想定外のタイムロスとなった。



17:00下山
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キャンプ場に戻って、風呂入って、20時には寝てた。全身全霊で挑んで、身体的に疲れた。


<まとめ>
谷川岳以来、1ヶ月ぶりの登山ですっかり身体が鈍っていた。下山時すでに筋肉痛で、膝を支えるための筋肉がやられたから膝にきた。長い行程だったが精神的には辛くなかった。しかし「秋の日はつるべ落とし」で迫る日没に焦りを感じていた。

ロープウェイが主流の山だから、それを使わないとかなりハードだということが分かった。また、あれだけ山頂に人がいたにも関わらず、ロープウェイ使用の登山ルートに合流する前後で出会った人は、たった1人だけだった。

登山道の赤テープ管理が適当だった。2ルートに分かれてたり、下にテープが落ちてたり。道迷いギリだった。標高差、歩行距離ともにあり、かつルートが曖昧な箇所があるため、日が長い時期に挑むほうがよさそうだと感じた。

紅葉は11月に入ってからがシーズンとのこと。ちょっと早かったようだ。

大切な山の仲間(水筒と腕時計)を紛失するのは想定外だった。1500ml持っていき、300飲んで落とし、予備の水500mlでなんとか下山まで足りさせた。ロープウェイ代を節約した代わりに、新調する出費でトントンになった。頑張ったのに、切ない・・・。

霊峰で、大いに修行になった。


久しぶりに山記事書いたら楽しくなってしまい、こんな長い記事になってしまいました。ご清聴(?)、ありがとうございました。



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by chidorigo | 2014-10-31 06:00 | 百名山挑戦
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