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頼む!出てくれフェリー(旅148日目)

11月30日 雨 樋脇―鹿児島

昨晩は風呂パスしたから、朝風呂へ行った。町の保健センターに温泉があり、150円で入れた。あつ湯・ぬる湯、どっちも熱すぎ。脚真っ赤だった。
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温泉の駐車場のバイクに戻ったとき、60代くらいのおじ(い?)さんに話しかけられた。

「長野からか。・・・浅間山荘事件って知ってるか」

かなり昔の話だ。もちろん私は生まれていなかったが、どんな事件だったかはプロジェクトXで見たことがあるので知っている。


「俺、そのとき頭撃たれて上田の病院に入院してたんだ」



な、なんだって?! Σ(゜д゜;)


元々鹿児島出身で警察に入り、例の事件の際には現場にいたらしい。「じゃ!」と爽やかに去ってしまった。話し方や歩き方等、普通に見えた。頭部撃たれて、後遺症は残らなかったのだろうか。見た感じ、元気に生きていらっしゃった。この出会いは、にわかには信じられなかった。聞きたいことは山ほどあった。

Wikiで調べたら、確かに撃たれた人がいた。その人がその後どうなったのかまで書いていなかった。本当にその本人なら凄い出会いだった。歴史の証人だ。ハイテンションで道の駅に戻った。

ムラカミ氏に朝食をご馳走になりながら、先の話をした。ムラカミ氏は歴史が大好きなので、会ってみたかったと言っていた。
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種子島へ渡るまであと1日ある。ムラカミ氏と共に、万世特攻記念会館へ行ってみることにした。途中寄ったガソリンスタンドで、ムラカミ氏の兄弟から連絡が入る。

「はやぶさ、12月1日に打ち上げが決まったみたいだ」

急遽、GSの店内を借りて作戦会議が成された。
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ガラケーの彼は、スマホの私に情報収集と、フェリー会社の空きがないかを早く調べろと指示。行動を共にして2日目、彼の焦りは私に伝わっている。私だって焦っているのだ。「今調べてます。順番に調べてるから待ってください」私も言葉強めて返す。不和を察してか、彼は缶コーヒーを渡してくれた。彼の方が大人だった。

自販機で、私にくれた缶コーヒーと同じ物を、彼も買おうとお金を入れた。点灯する「売り切れ」の文字。ラスト1だったようだ。幸運だ。この出来事は、はやぶさの打ち上げを見れるんじゃないかとの期待を一気に高めてくれた。

二人で笑った。不穏だった空気は和んだ。


車はどこのフェリー会社も予約がいっぱいだった。ムラカミ氏は絶望していた。バイクは恐らく乗れるだろう。彼は万が一にもキャンセルが出るんじゃないかという微かな希望を胸に、ダメ元でフェリー乗り場まで行くことにした。

フェリーはいびすかすの事務所。フェリー運行の問い合わせの電話がひっきりなしで、受付対応一人でやってたから可哀想に思えた。
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荒天のため、条件付の運行になっていた。条件付とは、「海が荒れすぎて接岸できなければ、引き返してくる」というものだ。
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チケット購入。バイクは先着順10台まで。余裕で乗れた。車のキャンセルも1台出て、ムラカミ氏は奇跡的に乗れることになった。
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大阪からマジェ125のワタナベ君と、鹿児島チャリダーのウチムラ君と仲良くなった。ウチムラ君はテントもシュラフも持っていなくて、打ち上げ延期になった場合の長期戦には備えていなかった。そこで私のメットと雨具を貸し、ワタナベバイクにタンデムして、スポーツDEPOまで買出しに出かけるという荒業を発動。行く直前に調達しに行くなんてすごいわー(笑)

もう一人、愛知から来た屋久島行きの原付ライダーが来て、バイクは合計4台になった。打ち上げの話題で盛り上がり、ワクワクしながらフェリーまでの時間を過ごした。



受付の女性より、テンション高い我々に一言。耳を疑った。


「明日の打ち上げは、3日に延期になったそうです」


ウチムラ君は「バイトがぁぁぁ」と心揺れていた。ここまで来たら・・・ねぇ?(‘・ω・’)行くしかないでしょ!!彼は悩んだ末、行くと決めた。いいぞ、それでこそオトコだ!(ぇ



雨でカブびしょびしょ。我々のテンションのようだ(笑)
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17時に乗船開始。天気予報に釘付けの図。女性専用室があって嬉しかった。
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鹿児島上空の風向き予想もやっていた。火山灰の降灰の向き。初めて見た。
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フェリーが沖へ進むにつれて、波による揺れが大きくなった。進行方向に向かって縦に寝たら、だんだん揺れが心地よく感じられてきた。知らない間に眠ってしまった。

着岸5分前のアナウンスで目が覚めた。

港は真っ暗で、どっちに行けばいいのか本気で迷った。ワタナベ、ウチムラ両氏とともに雨の中、方向を確認。それぞれ宿泊場所が異なるので、またどこかで会えることを願って別れた。

真っ暗なのは港だけでなかった。島は真っ暗。夜間走行にはとことん向かないと思った。土砂降りだが、温かい雨だった。12月になろうともいうのに、雨が冷たくないなんて、一体どんな気候なんだ。不思議だった。必死に走って、ゲストハウスに到着。干すもの干して、洗顔だけして就寝。




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by chidorigo | 2015-05-16 06:00 | 九州編
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