虹の島屋久島(旅153日目)

12月5日 曇/ニワカ雨 屋久島一周

屋久島の朝。私が楽しみにしていた場所のひとつだ。ライハとまり木のベッドで気持ちよく目覚めた。朝食にパン1枚とコーヒーがサービス。あと、風呂と洗濯機も無料で使える。これで2千円なら悪くないと思う。

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昨日、宮之浦岳へ登山に行ったライダーがいた。彼曰く、「ひと山越えたら吹雪で、雪が積もっていて足が埋もれた」そうだ。屋久島に来るのが遅かった。宮之浦岳は本格的な冬山と化した。はやぶさ延期の間に季節は進んでしまった。いくら九州最南端とはいっても、標高2000m近くの山では雪が降り、雪山となる。

今回は雪山に挑むなんて考えは微塵もなくて、冬装備を持ってきていない。2泊3日の避難小屋泊の縦走は無謀といえる。命あっての日本一周。泣く泣く断念した。

予定を変更して、屋久島一周のプチツーへ出かけた。10時にライハを出発。

屋久杉を使ったアクセサリーショップ樹乃香(きのこ)に寄ってみた。北海道から移住してきたオーナーは話好きで、私が店内を見ている間中ずっと喋り続けていた。観光シーズンはガイドをやっているとか。移住してくる人は、ガイドとかカフェをやって生計を立てる人が多いようだ。

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500円でランチできる店はないかと「ない!島は物価が高いからねー」と言われた。私がお昼に行こうと考えていた「ノマドカフェの向かいにほらぶちという地元喫茶があるから、そこなら主人に相談すると何か出してくれるかも」と教えてくれた。

あと、今が旬のハガツオホシガツオが旨いから是非!と勧められた。屋久島に人が来るのは夏が多いから、知名度が低い。冬の名物だそうだ。



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教えてもらった瀬山鮮魚店へ行くと、奥からおばちゃんが出てきた。ハガツオはあるという。「どのくらい?」と聞かれる。どのくらい?の見当がつかない。1人前ってどのくらいなんだろう。何切れ、というのもピンとこない。今日一番の客で、ハガツオ丸々一匹を目の前で捌いていく。手際よくて、あっという間に切り身になった。

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350円/100g。5切で200円、それじゃあ少ないから500円分いただいた。新聞紙を凍らせたものをつけてくれた。これならごみが出なくてエコだ。アイディアだなーと思った。

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ほらぶちへ行ってみた。「ぇ、ここ?」っていう感じで、傍から見たら喫茶店感が全くなかった。メニュー見たら、ピザ・グラタン400円、ドリンク280円。・・・・高いな。迷っていると、外に座っていた地元のおばちゃん(常連)から、「ここのピザとかはレンジでチンするやつだから、だったらAコープで買って食べた方がいいよ」とのアドバイス。

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お腹空いたし、それも面倒なのだ。迷っていたらポンカンくれた。「うちに赤飯あるから取ってきてあげるよ。待ってて、15分くらいだから」おばちゃんは、私の返事も聞かずに帰ってしまった。

ほらぶちのマスターに「500円で何かいただけないか」と聞いたら、カフェオレと肉まん(関西の有名店のやつらしい。レンチン)を出してくれた。
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程なくしておばちゃんが戻ってきた。タッパー入りの赤飯と、外のコンロで焼いた魚の一夜干しをいただいた。ダースという魚で、太刀魚みたいな細長い魚だという。
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塩焼きで、身はプリッとして美味しかった。味が薄かったから、甘口醤油をつけて食べた。九州南部は、醤油が甘口なのだ。ただ、小骨が緑色だったのが衝撃的だった。こんな魚がいるんだ!地元の人は、緑な小骨を気持ち悪がって食べない人も多いんだとか。別に私は気にならなかった。

ヤコウガイを見せてくれた。貝の外側を削って、貝特有の虹色を発する層を使ってアクセサリーを作るんだって。工程途中の貝を見せてもらった。
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島、面白い。とても面白い。皆気さくな人たちで歓迎された。普通の観光客や、登山客はこういった地元感MAXな喫茶店には来ないだろう。こんな珍しいものを見る機会もないだろう。旅に特化した旅をしていて良かったと思う。

喫茶店で喋りすぎて、もう14時を過ぎていた。それから島を時計回りに一周した。


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モッチョム岳にかかる虹を見た。

モッチョム岳直下にある小学校が、その名も神山小学校だった。確かに、虹がかかるその山は神々しかった。小学校のネーミングセンスありすぎる。


一枚岩を流れ落ちる千尋(せんぴろ)の滝。
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大川の滝。
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島の西側はアップダウンがあって、1~1.5車線の狭路だった。鹿、猿を頻繁に見かけた。全部でヤクシカ5頭、ヤクサル8匹は見た。
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見かけたときは、すごい!鹿だ!ヤクシカだ!とテンションが上がった。しかし、よく考えてみれば鹿も猿も、地元信州じゃよく見かけるから、別に珍しくもないじゃないか。テンションが上がった理由をよく考えると、「屋久島に生息している固有種に会えた」ことに行き着いた。

ウミガメも産卵に訪れる。かなり荒れていた。
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にわか雨を降らせていた雲の隙間から、青空がのぞいた。海を挟んで島が見える。口永良部島だ。このとき、この島が約半年後に噴火するなんて想像もしていなかった。
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屋久島は海に囲まれた山の島。山は深く、高い。水に恵まれている島だと、豊富な水量の滝を見て思う。誰が呼び始めたのか、正に洋上のアルプス。一周しただけだったが、屋久島すげーところだと感じた(時々言葉遣いが悪いと友人に注意される)

帰りにスーパーに寄って、屋久島の焼酎2本買って実家へ送った。日没後にライハに帰宅。刺身のために、ご飯を炊いた。
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ハガツオは、歯鰹と書く。カツオかと思いきや、サバの仲間らしい。身はピンク色で、カツオのような透き通る赤色とは違った。味はマグロよりもさっぱりしていた。さすがは隠れた冬の名産。軟らかくて美味しかった。

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屋久島は観光地としてチャラチャラしたイメージがあった。軽装で杉を見に行って喜ぶ人たちを見て、何が面白いんだかと思っていた面がある。訪れてみたら違った。屋久島は島だが、山だ。生き物と、水と、海を育む。この島は観光地として開発してはいけない島だ。島を周って、私は感じた。この島には敬意を払わなければならないと。他の島にない魅力と紙一重の魔力があって、人を惹きつけてやまないんだと感じた。

杉にはあまり興味がないが、いつか縦走ついでに見に行こう。






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by chidorigo | 2015-06-12 06:00 | 九州編 | Comments(10)
Commented by ライツボ at 2015-06-12 07:46 x
おはようございます。
ていうか、宮之浦岳断念、残念無念ですね(泣)
でもでも、それを補って余りある人との出会いとブログネタ(笑)
(旅に特化した旅)にかなり共感しました。
これからも良い旅を!
あ、ウチを紹介していただいて有難うございました。
ヤマハのバイクに乗った方に来ていただきました。
でわでは。
Commented by ドカおじさん at 2015-06-12 09:10 x
宮之浦岳雪積もるんですね。意外な感じがします。登れなくて残念ですね。ところで島へ移住する人はカフェをやって生計たててるんですね。実は僕も島に移住してカフェをやってスローライフを送るのが夢だったりします。では良い旅を.
Commented by とちオヤジ at 2015-06-12 10:23 x
他にも日本一周ブログを拝見していますが、割と淡々とした文章な
さいちー さん(なので熱読してますが)をして、感情的になる
’屋久島’にチョット嫉妬!?
観光地(…)って、シーズンオフに滞在すると、奥深く‘クル‘ものがありますよネ。
今後(越冬バイト篇)に期待しているのでトットとブログupして下さい(笑)
Commented by 何処吹く風 at 2015-06-12 16:59 x
屋久島は、いつか、必ず行きたい場所です。
麓は、九州南部の気候でも、宮之浦岳の山頂は
北海道と同じだなんて言ってる人がいました。
そう考えると、10月になったら警戒しないと
ダメってことですよね。それに雨の中の
登山になる確率が高いので、雨具だけじゃなく、
小さな折り畳み傘を持ってると視界が確保できて
いいよなんてことも教えてもらいました。
いつか、絶対に行くゾー♪
Commented by 風ささき at 2015-06-14 14:01 x
島の時の流れに慣れてしまうと社会復帰できなくなりそう。
生きていく場所、住むところ暮らす場所、働く場所。
とどまらないで流れていくのが旅人か。
それでも生まれ育った土地に還っていく。
居心地のいいところに根を下ろすのかな。
明日もいい旅を。
Commented by ドンちゃん at 2015-06-14 17:16 x
宮ノ浦岳に登れなくて残念でした。
オフシーズンの情報て、なかなか入ってこないですからね。 でも、地元民とのふれあいや、旬のハガツオ食べられたり逆にいい旅が出来て良かったと思いますよ。
気になったのは、肉まんですがあの形と関西の有名店と言えば、551蓬莱の豚まん(大阪では豚まんと言う)ではないですか?大阪に来る事があれば、ぜひ出来立てを食べて下さい。めっちゃうまいでぇ〜。
ハガツオもうまそぉ〜\(^^)/
Commented by トミー at 2015-06-14 20:06 x
さいちーさんこんにちは、屋久島は山ガールにとっては興奮する場所でしょうね、僕は全く登山はしたことは無かったのですが先般の旅で屋久島に行って少しではありますが登山の魅力に触れられたと思います。
しかしとまり木はほんとに良い場所ですよね、多分ハイシーズンの北海道並に常に同業者がいる場所だと思っています、白谷雲水峡で食べた姉さんのおにぎりの味は格別でした、後多分いたとおもうんですが白い猫(名前もねこみたいですがw)が凄いかわいかったのが良い思い出です。
Commented by 鹿児島 東 at 2015-06-14 23:39 x
20年以上前に 屋久島一周 をした時は
やっぱり西側には結構 屋久ザル がウロウロしてたんですが^^;

サニトラなんかが走ってくると
荷台に乗っかって好きな所で降りる
タクシー代わりに使ってるヤツがいましたよ(≧∇≦)
Commented at 2015-06-15 11:46 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by robo at 2015-06-22 17:57 x
とまり木が出てきたので反応(笑)
20年前、1995年に行った時にお世話になったなあ。
震災で島に移住して始まった「とまり木」いいところですよね。
僕が宮之浦に登った時(11月末)は下では暑く、麦茶を冷やして持ってったら、上は雪が積もってて足首まで埋まってびっしょりになった。

兄さんは亡くなったと人づてに聞いてて、兄さんの釣った魚が食べられないのが残念ですが。
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