落雷、生死を分ける

先日、うちのスタッフ2名が隣の小屋へ遊びに行った。 帰りに夕立に遇い、酷い積乱雲のど真ん中に入ってしまった。
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一人は40代の元クライマーで、山の経験や知識が豊富で幾度の危機を乗り越えてきたベテラン。便宜上、ここでは倉今と呼ぼう(笑)もう一人は20代の私より年下で、山好きな青年。彼は柴犬飼ってるからと呼ぼう(ぇ


隣の小屋からの帰り道の話。

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気温がぐっと下がり、小粒の雹が降り始めた。「先に行け」倉今は雷雨になることを予想した。しかし足が悪くて歩行速度が遅い。柴に先に行かせることを選んだ。「大丈夫です。一緒に行きます」柴は答えた。


間もなく激しい雨が降り始め、登山道には沢のごとく水が流れた。


閃光と同時に轟音が響き、近くに落雷。 高さがある場所に雷が落ちる。 逃げ場のない稜線で、ザックを投げ、地面に這いつくばる。


(彼を死なせてしまうかもしれない)


倉今は本気で思った。二人は逃げ場のない稜線で、雷雨が去るのを必死に耐えた。雷雨が遠退き、ようやく立ち上がれた。二人は泥だらけだった。



山では、生と死は時として運に左右される。私が体験したわけじゃないが今回の二人の件で、山の厳しさを改めて感じた。 同時期に、お隣中央アルプスで落雷による死亡事故のニュースが入ってきた。



倉今は言う。

「雷は運だ。ただ、死ぬ確率を下げる方法はある。縦に割れてる岩には身を寄せるな。折り重なってる岩の下に身を寄せろ。岩がなければ、どこよりも低くなれ


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山の経験を重ねた者だからこその、説得力のあるアドバイスだった。山は、生きる力を学ばせてくれる。



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by chidorigo | 2015-08-17 06:00 | 山小屋2015夏 | Comments(4)
Commented by 2Q13 at 2015-08-17 19:40 x
一昨年、北アの徳本小屋でテン泊しとときのこと、穂高方面で雷鳴がとどろいていました。

それから2,3時間経過した時、ヘリが飛んできました。
翌日の新聞で、雷に打たれて一人が死亡、一人が重症の記事を見ました。

山での落雷で遭遇したら行動しないことが鉄則ですが、縦に割れている岩には身を寄せるなは教訓とします。
ありがとうございました。
Commented by まちしま at 2015-08-18 03:31 x
お二人とも無事だったんすね。よかった。。。
山は楽しいけど、自然に逆らうことは出来ない人間の弱さを痛感させられますね。
皆さんが無事に勤めあげられるように祈っておりまっす!
Commented by chidorigo at 2015-08-19 23:10
>2Q13氏
私もどんな行動を取ればいいか分かりませんでしたので、勉強になりました。気をつけたいですね。
Commented by chidorigo at 2015-08-19 23:14
>まちしま氏
山の素晴らしさはもちろんですが、同時に山の怖さも伝えられればと思っています。私だけでなく、他の登山者たちも無事に下山できるように祈ってます。
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