苔石畳の箱根越え

11月3日曇(5日目) 小田原ー沼津

仰向けに寝ると、腹部で一番標高が高いのが上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)です。

おはようございます。お腹ぺったんこさいちーです。

どこだよそれ!って思う方、どうぞぐぐってください。骨盤の前のでっぱりです。肉厚な方は埋もれてますよ。歩きすぎて「消費カロリー>摂取カロリー」になってます。いつになく痩せきた(げっそりしてる?)気がします。下向いたくらいじゃ二重顎にならないほど、顎周りがシャープです。


最低気温8.7度の野宿は寒かった。屋根壁あるところで眠れるはずが、訳あって小田原城址で朝を迎えることに。不眠2日目、そろそろちゃんと寝ないと身体が持たない。

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さて、そんな5日目は箱根登山鉄道で入生田駅まで戻って、そこからスタート。

箱根八里、行ってきます。東海道で最も標高が高い場所を越える。

これから箱根を越えようとしてる人の朝ごはん。ヘルシーすぎる。

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旧道へ入る。畑宿方面へ曲がる。

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温泉街を上る。

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延々車道歩き。場所によっては勾配10%以上はあったと思う。
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箱根の一里塚。

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鳥居にキューピットらしきものがいて、宗教の垣根を越えていた。自由だ・・・。
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身の程を知らない軽自動車がターボに物言わせて、ハイスピードでコーナーに突っ込んでくる。「車に轢かれそうな峠」という意味で、現代の難所だと思った。



やっと旧道が始まる。

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昔は、雨雪の後は膝まで泥に浸かる悪路バッドな道だった。
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悪路バッドな排水の悪い道に、石畳を敷き通りやすくしたのがこの道だ。石の下には水はけを良くするために小石が敷かれており、地面に染み込んだ雨水は沢に流れるよう工夫されている。また、道のサイドには排水のための溝が設けられている。
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通る人が少なすぎて、いい感じに苔むしていた。

湿っていて、滑る滑る。
ランニングシューズだから余計に滑るのもあるが、この道は登山靴でも滑ると思う。石と石の間の段差に足をかけ、滑らないよう注意しながら歩く。今までお荷物だったストックを使い、登山スタイル発動。滑ってもバランスが取れるから、すこぶる調子いい。大体、私自身が登り仕様なので得意とする道だ。


もう山中ハイキングが楽しくてしょうがない。

テンポよく進む。
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時々車道に出る。車道はヘアピンカーブの連続だが、歩行者はカーブを縫うようにショートカットの階段が設けられていた。
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かしの木坂という坂。私には全部が連なった坂に感じるのだが、場所毎に坂には名前がつけられている。一説によれば、難所箱根の中でも、ここかしの木坂が最も険しい坂だったとか。確かにこの階段は勾配がきつかった。
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旧街道沿いの甘酒屋。昔は3軒ほどあったが、現在はこの1軒だけ。

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名物は甘酒だが、甘酒苦手なので力餅をいただく。箱根観光のじじばばで結構賑わってる店内。餅2個で500円とは、なかなかいい商売してる。

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うぐいすか、いそべか選べた。うぐいすチョイス。小腹が空いていたのもあり、美味しく感じた。江戸の旅人もこんな風に一服したんだろうか。

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東海道の本を読むと、江戸時代の旅人は一日2食だったと書いてある。朝夕は宿で食べ、昼ごはんという感覚がなかった。昼はこういう茶店で菓子を食べていた。それで一日十里歩くんだから、現代人からするとおかしい。エネルギー足りてないんじゃないか。現代人の私でさえ、エネルギー不足を感じるのに。

いや、待てよ。江戸の人は省エネだった可能性もある。生活スタイルが、何でもかんでもリサイクルしてしまうエコ生活だったから、ありえなくはない。エコすぎるだろ!江戸時代、恐るべし。タイムスリップするなら、江戸時代に行ってみたい。

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急登が続く。周囲の林は手入れがされていて、道が割りと明るかった。

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急登もピークを過ぎ、下り始める。権現坂を下ると、芦ノ湖に着いた。
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外人さんと写真撮り合いっこ。

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誰があんな遊覧船乗るんだよ・・・と思ってたら、結構乗ってる人いたわ。


も、もしかして・・・・・あれは・・・

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ふっじさーーーーーん!!!

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この旅で、初めて富士山が見えた。うれしさのあまりハイテンションで独り言。周りから見たら変な人。

何が嬉しいかって、富士山が大きく見えることに感激。北岳から見た富士山は、頭のてっぺんしか見えなくて、そんなに大きくはなかったから。きっと昔の人も、近くに見える大きな富士を見て感激したに違いない。

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東海道五十三次最大の難所の云われが、峠と、この箱根の関所。出女を厳しく取り締まっていた。
入り鉄砲は?と思うかもしれないが、資料館では「入り鉄砲を取り締まっていた記録はない」とはっきり書かれていたのが印象的だった。そうだったのか!箱根といえば「入り鉄砲と出女」だったから、衝撃的だった。

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昔の人は髪長かったから、再びセットするの大変だろうな。水戸黄門なんかでは当時のパスポートである手形の、人相書きに勝手にホクロ足されたりして通れないなんてシーンを見たことがある。ただでさえ関所を通るのが命懸けなのに、関所側に不正をされたんじゃたまったもんじゃない。

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関所破りの監視業務さえなければ、ロケーション最高すぎる。ここで働いていたのは20~24人の侍と役人等。任期は長くて2年。赴任してきて住み込みで働いていた。この周囲の村と村人には、関所破りをする旅人の監視義務が課せられていて、見逃すと連帯責任で罰せられたそうだ。当時、周囲の山は入山禁止で、一部の山は今も高山植物保護のためとかいって入山禁止だ。村々を行き来する場合は、関所裏の通路を通っていたらしい。

全力で関所破りをする方法を考え、熱海経由で迂回する案を出してみた。しかし、資料館によれば熱海方面にも関所が存在していたとのこと。村人に化ければいいじゃん!と思ったが、協力してくれる村人が必要。そこは金でなんとかなる....か...?(笑)

ただ、見つかれば重罪。磔にされる。磔の絵があったが、残酷すぎて血の気が引いた。キリストちっくな木に縛られて、槍で左右わき腹から斜め上に突き刺される。間違いなく痛い。骨に当たったらきっと一回引くんでしょ。それとも刃先が研ぎ上げられてて骨もスパッと切れるのかしら。その絵を見たら、関所破りをする気が失せた。

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この傘欲しいなぁ。結構本気で。でもまだ売ってるのを見たことがない。そのうちどこかで…と思ってるうちに、東海道終わってる気がする。

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歩いてて寒いと思ったら、10度しかなかった。ジャケット着る。歩いてて温かいが、ジャケット脱げるほどの暑さにならない。

箱根峠を越えた。「静岡県」の標識を探したのだが。。たぶん、静岡に入った。

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お腹空いた。焼肉定食が売りの店内は、もくもくしてた。

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みそらーでエネルギー補給。

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下りも旧道。工事中で通れない場所は、車道の隣の歩道を歩く。車のワインディングに付き合わされて、距離を無駄に歩いてる気がする。

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びっくりするほど、民家の裏に出た。

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日本橋から110km歩いた実感。

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畑越しの絶景伊豆半島・・・曇りなのが残念。

足が痛い。荷物が重い。

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旧道「こわめし坂」。急坂すぎて、米を背負っていた旅人の汗と熱でこわめしになってしまったらしい。名前の由来に和んだ。

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足が痛い。肩が痛い。
足を止めると止まってしまう。
20kmを過ぎてから、荷物の重さを感じるようになってくる。
延々と下り。膝を痛めないよう、歩幅を狭くする。




誰だね、君は。

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日没。歩みが止まる。疲れた。靴を脱いでひっくり返る。暗くなってきた。眠い。

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ラジオを聴きながら、まだまだ下る。イヤホンからは軽快な音楽が流れ、重い足取りを多少の少くらい、軽くしてくれた。


この暗さだが、まだ17時半。日没早すぎる。三島大社に着いた。

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巫女バイト募集してる!やってみたい!住み込みで雇って欲しい。今の自分に、門を叩く気力はない。

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境内にある池のほとりで、ひっくり返って休んでたらミシマー(三島市民)に「大丈夫ですか?具合悪いんですか?」と声をかけられる。

ムクリ)大丈夫です(ニコッ
大丈夫じゃねぇ!!ぜんっぜん、だいじょばない。もうへとへとだよ。ぼろぼろだよ。泣きたい。
ミシマー優しい。心配ありがとう。



意を決して出発。目的地は沼津のネカフェだ。無料のシャワーと、フラットスペース、そして3日振りの安眠が待っているはず。がんばれ自分。

地面に足を着くのが苦痛。一歩進むと骨に響く。あぁ、このまま疲労骨折するんじゃないかと思う。

清水区に入った。看板の写真を撮る元気はないが、マンホールなら。このデザインが気に入った。富士山麓に沸き出、流るる川は、きっと柿田川だろう。このデザインの切手がほしい。

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疲労困憊。ふらふらしながら、歩き続ける図。

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はああああああああ


発狂する元気などない。





真顔で歩く。


正面から歩いて来る人は、殺気立ってる私を避けるように、私が通る道を開けてくれる。

殺気立ってるわけじゃないんだよ。心底疲れているんだよ。怖い顔して歩いてるけど、本当は怖い人なんだよ(ぇ
だから余計な一歩を私に歩かせないでおくれ。


・・・なんて考える余裕もない。真顔ウォークは続く。

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足が痛い。足が重い。肩が、背中が痛い。心が弱い。泣きそう。



ボロ雑巾のようになりながら、沼津駅前のネカフェに到着。くたくたのへろへろでぼろぼろ。
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3日振りにシャワー浴びてサッパリ。精神的に生き返る。洗えるものは洗って干す。
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さて、体の方はというと…両肩擦過傷。ザックの重みに肩がやられた。これはワセリン塗っておけばいい。下腿、大腿四等筋、大腿二等筋が筋肉痛。
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両母趾付け根と、その延長上の足背部分が、靴が当たって痛い。発赤、腫脹、熱感、疼痛…見事に炎症反応の兆候が揃った。両前足部には靴擦れから水泡になりそうな箇所がある。痛いが苦にならないレベルなので経過観察。



死んだように眠れた。



箱根は今昔ともに”難所”だった。身体的、精神的にがっつりやられる。どちらも強くないと越えられない峠だ。身も心もお腹いっぱいである。箱根峠に鍛えられた。箱根八里のはずが、箱根九里も歩いた。たぶん、今日は昔の人よりも歩いたと思う。


歩行距離36km
歩行時間9時間40分(7:30-19:45)

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by chidorigo | 2015-11-14 06:00 | 東海道五十七次 | Comments(8)
Commented by 何処吹く風 at 2015-11-14 17:41 x
純粋歩行時間でしたか。
それにしても、箱根越え歩きすぎ。
お疲れさま。まさかの一日越えとは!
手に汗握るというのは、よく聞くけど
足裏に汗を握って文章を読んだのは初めてです。
山なら遭難寸前の疲労度ですね。下界は交通事故が
確かに怖いので、ご安全に。
そういえば、今夜は、グレートトラバースの
放映がある…
Commented by robo at 2015-11-14 21:32 x
今日(14日)は静岡辺りでしょうか?明日は掛川辺りで次が我が故郷浜松かな。内地にいれば差し入れでもしたいところですが、今は石垣島に住んでいるのでそれが出来ません。
東海道歩き・・・昔は浜名湖を渡し舟で渡るか女子は姫街道で浜名湖を北に迂回。今は橋があるので普通に湖西まで行けるけど、どちらを選択するのでしょう。女子だから姫街道?(笑)
Commented by 風ささき at 2015-11-15 15:25 x
旅人の真髄は歩く旅、自分との戦いと車両や自然との戦い、まさに修行僧。
楽を知らない辛い工程もそれが生きてる実感なんだろうね。
歩かない休養日もありで無理せず完走してください。
明日もいい旅を。
Commented by おれんじ at 2015-11-15 19:09 x
さいちーさん、どーもです。
今日、新蒲原駅の前でイベント受付をしていた者です。

大きなリュックを背負って
若くてきれいなお嬢さんが目の前に現れて
なんと沼津から歩いてきたと言う。
すごいなぁ、かっこいいなぁ
眩しかった。
元気を貰った気がします。
あ、握手してもらえばよかったなぁ。。

今夜は安全な寝場所に着けましたか?
野宿は心配なので出来たら止めてね。

旅の安全を心からお祈りしつつ。。






Commented by chidorigo at 2015-11-17 17:46
>風氏
日没までに下山するのは予定内でした。普通の登山ならこんな無謀なプランニングしませんよ~。疲れました(笑)
Commented by chidorigo at 2015-11-17 17:47
>ろぼ氏
予定では週末までには浜松ですね~。雨で足止めされてます……
どっちで行くかは考え中です
Commented by chidorigo at 2015-11-17 17:49
>ささき氏
体はいいんですが、だんだん精神的にきつくなってきました。ほんと修行してる気分です
Commented by chidorigo at 2015-11-17 17:51
>おれんじ氏
こんにちは。コメントありがとうございます!
地元に住んでいればイベント参加したかったです。声援いただいて元気が出ました(`・ω・´)
あの日は、泊まるとこなくて結局野宿になってしまいました~( ´∀`;)
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