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帰還命令で大ピンチ(旅155日目)

12月7日 晴 鹿児島―フェリー沖縄

さいちーです。おはようございます。旅に出て5ヶ月目を迎えました。お疲れ自分!がんばれ自分!さあ、張り切っていきましょう。ブログの更新はついに半年以上開いてしまいまして(笑)いよいよ沖縄に突入!の直前に、事件が起きます。

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ライハの目の前には、桜島が堂々と座っていた。最高のロケーションだった。よく見ると、うっすら冠雪しているように見えた。火山灰かもしれないが。

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ライハ前はR10が通っていて交通量が多い。赤い服のサンタコスプレ集団が走っていた。言われてみればクリスマスが近い。鹿児島市内のR10は、みんな2車線の左側を走っており、法定速度を守っていた。金沢並の交通マナーの良さに感心した。鹿児島駅近辺は路面電車が走っていた。明治時代くらいからありそうな古い建物が多かった。


夕方便のフェリーで沖縄に渡ろうと計画した。それまで時間があったから、知覧に行ってこようと思って市内を走る。信号で止まったとき、歩道からおっちゃんに声をかけられた。どうやらバイク屋のようだった。値札のついたカブが3台並んでいた。

信号待ちの間に話が終わりそうになかったので、エンジンを切って歩道へ上がった。気さくなおっちゃんはイワツボ氏といった。車屋が本業だが、趣味でバイクも扱っている。コーヒーをご馳走になった。
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長話をしていたら、隣人のばーちゃんがやってきてお弁当を差し入れてくれた。小奇麗なシャキッとしたばーちゃんだった。「かしわ食べれる?かしわも知らんのか!」かしわって何だ?!私はかしわがニワトリを指すと初めて知った。
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ばーちゃんなりの応援らしく、頭ナデナデ、肩ぽんぽんされた。お弁当はとても嬉しかったが、頭ナデナデは好かないなー。

イワツボ氏は感じのいいおっちゃんで、気持ちよく旅の話をしていたら午後になってしまった。知覧中止にした。私は思うのだが、人に話をさせるのが上手い人が、本当の聞き上手だと思う。自分の話ばかりする人は、話上手なんじゃなくて単なる自己中。そういう意味では、イワツボ氏は聞き上手だと思った。

フェリーターミナルへ行き、チケットを購入。A-LINEは隔日運行していて、たまたま今日出港日だった。ラッキーだ。片道3万円。高いな。飛行機の方がよっぽど安い。でもカブを持っていくことに意味があるから仕方ない。
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鹿児島っぽい黒豚デザイン。



13時頃、珍しく親から電話がかかってきた。


「うちでトラブルがあったから、帰ってこい。無期限で」

まさかの帰還命令だった。


うーん、家庭の事情のため詳細は書けないが裁判沙汰な模様。私全く関係ないじゃん。

今後出会った人に「寒いので冬の間は帰りました☆彡」とか説明するようになると思うが、それは説明が面倒だからということでご愛嬌。



事情を聞くと、帰らないわけにいかないようだ。


沖縄行きのチケットを買ってしまった手前、当日キャンセルなんてしたら払い戻しに手数料がガッツリ、ゲッソリ。私の今後の予定は?沖縄越冬予定は?ここに来て大番狂わせ。大迷惑な帰還命令だ。この憤りたるや、理不尽にも程がある。ふざけるな。この気持ちをどこにぶつけたらいいのか。ちくしょー。


今後の予定を全力で考えた。沖縄サクっと回って、カブで地元に戻るか?でもカブを実家に持っていったら、恐らく私の旅はこれで終わる。無期限での帰宅というから、もう日本一周完結しないだろう。私は既に成人してるんだから、自分の道は自分で決める年齢だ。旅に人生をかけているんだから、今更‘家庭の事情’に人生を邪魔されたくない。

私のよきアドバイザーである友人にも、至急で申し訳ないと電話して相談してみた。友人の結論は、私の考えと違って「年内ゴールでしょ」というものだった。相談しておいてあれだが、参考にならなかった。

カブをこっちに残しておけば、いつか旅はつながる。どこかで、誰か、バイクを預かってくれる人がいれば、旅が続けられる。ダメ元で、泊まっていたライハに電話してみた。事情を説明したら、なんと奇跡のOKが出た。自分勝手な頼みであったが、受け入れてもらえて本当にありがたい。私が旅を続けられるのは、周りの人の支えがあるからだと改めて実感した。


地元に帰る日を決める。鹿児島から名古屋の飛行機を12月19日で予約した。沖縄を出るのは12月17日になりそうだ。沖縄は10日間の予定となった。有意義に使おう。


フェリー乗船前、日本一周カブが私の他に1台いた。江南市(愛知)ナンバーの21歳男性ライダー。名前は聞きそびれてしまった。彼は保育士目指して勉強していたが、大学休学中。所持金3千円が現在の全財産だと言っていた。それでよく沖縄に渡るな!一ヶ月石川の旅館でバイトをしていたそうで、その収入が近々あるから大丈夫らしい。

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出港後、彼は景色を眺めながらビールとおつまみでまったりしていた。お酒飲むのやめればいいのに・・・と突っ込んだら「こればかりはやめられない」らしい。彼は船酔いして、先に寝てしまった。


船旅25時間に耐えるため、私は寝台8人部屋を選んだ。2千円程度しか変わらない。雑魚寝部屋より、区切られていた方が快適。同室者の香水がきつく、フロントに部屋を変えてほしいと頼んだら、後にしてといわれた。後でと思っていたが、ロビーの席にいる時間の方が長くてすっかり忘れていた。思い出した頃には面倒になっていて、一晩だしまあいいかと自分を納得させた。

寝台はシーツがなくて嫌だった。2等和室の雑魚寝部屋はシーツがあるというのに。髪の毛もいっぱい落ちていて不潔なベッドだった。せめてコロコロが部屋に置いてあればなーと思った。


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by chidorigo | 2015-06-26 06:00 | 九州編 | Comments(7)

屋久島脱出またいつか(旅154日目)

12月6日 曇/ニワカ雨 屋久島―鹿児島

朝9時半。町内放送が入った。


「役場からの お知らせです。本日のフェリー太陽は、全便欠航となります。ピーーッ」


この屋久島に、私は登山をしに来た。しかし積雪のため断念を余儀なくされた。目的を失った今、屋久島に滞在する意味はもはやないに等しい。


屋久島から脱出するためのフェリー太陽は全滅した。連泊決定かとため息をついた。そのとき、ライハオーナーのねえさんから「ヤクツーなら動いてるかもよ」との情報を得た。ヤクツーとは、屋久島2のフェリーの通称だ。ターミナルに問い合わせると、条件付運行となっている模様。ありがとう!ねえさん!

13時までに乗船手続きを完了させれば乗れそうだ。そのとき既に12時半。フェリー自体は遅延しているが、港へ着岸可能そうとの返事があった。急いで荷造りをして出発した。

フェリーは無事着岸し、乗船できた。
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揺れは一昨日の太陽ほど酷くなく、スマホでブログ書く余裕があった。そのうち心地よくなり、寝てたら鹿児島に着いた。

窓から開聞岳が見えた。
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鹿児島に着いたのは夕方というか、もう夜だった。屋久島は意外と遠い。
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市内から走ること30分、ライハ、マスに到着。月明かりに照らされ、対岸に浮かび上がる桜島が美しいロケーションだった。

夕飯食べて就寝。移動の一日だった。
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by chidorigo | 2015-06-19 06:00 | 九州編 | Comments(3)

虹の島屋久島(旅153日目)

12月5日 曇/ニワカ雨 屋久島一周

屋久島の朝。私が楽しみにしていた場所のひとつだ。ライハとまり木のベッドで気持ちよく目覚めた。朝食にパン1枚とコーヒーがサービス。あと、風呂と洗濯機も無料で使える。これで2千円なら悪くないと思う。

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昨日、宮之浦岳へ登山に行ったライダーがいた。彼曰く、「ひと山越えたら吹雪で、雪が積もっていて足が埋もれた」そうだ。屋久島に来るのが遅かった。宮之浦岳は本格的な冬山と化した。はやぶさ延期の間に季節は進んでしまった。いくら九州最南端とはいっても、標高2000m近くの山では雪が降り、雪山となる。

今回は雪山に挑むなんて考えは微塵もなくて、冬装備を持ってきていない。2泊3日の避難小屋泊の縦走は無謀といえる。命あっての日本一周。泣く泣く断念した。

予定を変更して、屋久島一周のプチツーへ出かけた。10時にライハを出発。

屋久杉を使ったアクセサリーショップ樹乃香(きのこ)に寄ってみた。北海道から移住してきたオーナーは話好きで、私が店内を見ている間中ずっと喋り続けていた。観光シーズンはガイドをやっているとか。移住してくる人は、ガイドとかカフェをやって生計を立てる人が多いようだ。

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500円でランチできる店はないかと「ない!島は物価が高いからねー」と言われた。私がお昼に行こうと考えていた「ノマドカフェの向かいにほらぶちという地元喫茶があるから、そこなら主人に相談すると何か出してくれるかも」と教えてくれた。

あと、今が旬のハガツオホシガツオが旨いから是非!と勧められた。屋久島に人が来るのは夏が多いから、知名度が低い。冬の名物だそうだ。



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教えてもらった瀬山鮮魚店へ行くと、奥からおばちゃんが出てきた。ハガツオはあるという。「どのくらい?」と聞かれる。どのくらい?の見当がつかない。1人前ってどのくらいなんだろう。何切れ、というのもピンとこない。今日一番の客で、ハガツオ丸々一匹を目の前で捌いていく。手際よくて、あっという間に切り身になった。

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350円/100g。5切で200円、それじゃあ少ないから500円分いただいた。新聞紙を凍らせたものをつけてくれた。これならごみが出なくてエコだ。アイディアだなーと思った。

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ほらぶちへ行ってみた。「ぇ、ここ?」っていう感じで、傍から見たら喫茶店感が全くなかった。メニュー見たら、ピザ・グラタン400円、ドリンク280円。・・・・高いな。迷っていると、外に座っていた地元のおばちゃん(常連)から、「ここのピザとかはレンジでチンするやつだから、だったらAコープで買って食べた方がいいよ」とのアドバイス。

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お腹空いたし、それも面倒なのだ。迷っていたらポンカンくれた。「うちに赤飯あるから取ってきてあげるよ。待ってて、15分くらいだから」おばちゃんは、私の返事も聞かずに帰ってしまった。

ほらぶちのマスターに「500円で何かいただけないか」と聞いたら、カフェオレと肉まん(関西の有名店のやつらしい。レンチン)を出してくれた。
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程なくしておばちゃんが戻ってきた。タッパー入りの赤飯と、外のコンロで焼いた魚の一夜干しをいただいた。ダースという魚で、太刀魚みたいな細長い魚だという。
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塩焼きで、身はプリッとして美味しかった。味が薄かったから、甘口醤油をつけて食べた。九州南部は、醤油が甘口なのだ。ただ、小骨が緑色だったのが衝撃的だった。こんな魚がいるんだ!地元の人は、緑な小骨を気持ち悪がって食べない人も多いんだとか。別に私は気にならなかった。

ヤコウガイを見せてくれた。貝の外側を削って、貝特有の虹色を発する層を使ってアクセサリーを作るんだって。工程途中の貝を見せてもらった。
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島、面白い。とても面白い。皆気さくな人たちで歓迎された。普通の観光客や、登山客はこういった地元感MAXな喫茶店には来ないだろう。こんな珍しいものを見る機会もないだろう。旅に特化した旅をしていて良かったと思う。

喫茶店で喋りすぎて、もう14時を過ぎていた。それから島を時計回りに一周した。


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モッチョム岳にかかる虹を見た。

モッチョム岳直下にある小学校が、その名も神山小学校だった。確かに、虹がかかるその山は神々しかった。小学校のネーミングセンスありすぎる。


一枚岩を流れ落ちる千尋(せんぴろ)の滝。
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大川の滝。
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島の西側はアップダウンがあって、1~1.5車線の狭路だった。鹿、猿を頻繁に見かけた。全部でヤクシカ5頭、ヤクサル8匹は見た。
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見かけたときは、すごい!鹿だ!ヤクシカだ!とテンションが上がった。しかし、よく考えてみれば鹿も猿も、地元信州じゃよく見かけるから、別に珍しくもないじゃないか。テンションが上がった理由をよく考えると、「屋久島に生息している固有種に会えた」ことに行き着いた。

ウミガメも産卵に訪れる。かなり荒れていた。
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にわか雨を降らせていた雲の隙間から、青空がのぞいた。海を挟んで島が見える。口永良部島だ。このとき、この島が約半年後に噴火するなんて想像もしていなかった。
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屋久島は海に囲まれた山の島。山は深く、高い。水に恵まれている島だと、豊富な水量の滝を見て思う。誰が呼び始めたのか、正に洋上のアルプス。一周しただけだったが、屋久島すげーところだと感じた(時々言葉遣いが悪いと友人に注意される)

帰りにスーパーに寄って、屋久島の焼酎2本買って実家へ送った。日没後にライハに帰宅。刺身のために、ご飯を炊いた。
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ハガツオは、歯鰹と書く。カツオかと思いきや、サバの仲間らしい。身はピンク色で、カツオのような透き通る赤色とは違った。味はマグロよりもさっぱりしていた。さすがは隠れた冬の名産。軟らかくて美味しかった。

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屋久島は観光地としてチャラチャラしたイメージがあった。軽装で杉を見に行って喜ぶ人たちを見て、何が面白いんだかと思っていた面がある。訪れてみたら違った。屋久島は島だが、山だ。生き物と、水と、海を育む。この島は観光地として開発してはいけない島だ。島を周って、私は感じた。この島には敬意を払わなければならないと。他の島にない魅力と紙一重の魔力があって、人を惹きつけてやまないんだと感じた。

杉にはあまり興味がないが、いつか縦走ついでに見に行こう。






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by chidorigo | 2015-06-12 06:00 | 九州編 | Comments(10)

荒天の海、洗面器の鈍光(旅152日目)

12月4日 雨/曇 種子島―屋久島

朝から雨。風も強かった。だが、トイレ内はとても快適。なんせ雨は吹き込まないし、風で飛ばされることもない。誰かが来て、トイレ前のカブを見るなり「松本か・・・」と呟いて去っていった。


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朝兼昼飯を食べる。万が一海が穏やかじゃなかった場合に備えて、胃の中は乗船までに空にしておく必要があった。ゆーっくり撤収して、14:45発のフェリーに間に合うように出発。

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フェリーが出向している港は二箇所ある。西之表港と島間(しまま)港だ。私は種子島の後は屋久島に渡ることにした。屋久島の町営フェリーが出る島間港へ。フェリー乗り場がどこか分からなくてうろうろしたが、フェリー太陽が入港してきてやっと場所が分かった。
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発券所で「今日は時化てて原付は乗れないかもしれません」と言われて焦る。受付の人は無線でフェリーのスタッフに連絡を取り、OKが出た。フェリーの相場が分からないので、2100円は安く感じた。

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打ち上げ翌日で、西之表港から出るフェリーはいびすかすも、共同なんちゃらというフェリーも満車。種子島から出たい人たちで溢れる港。打ち上げを見に来る人が、島にお金を落としていくんだなー。ちなみに高速艇トッピーがあるが、トッピーはトビウオのことらしい。

フェリー内部に大型のエレベーターがついてた。車はバックで乗船しエレベーターに乗って降りる。船底の駐車スペースに並べていく方法だった。海なし県民、こんなフェリーを見るのは初めてだった。
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昨日の打ち上げの打ち上げにいたメンバーの一人、カワベ氏もこの船に乗った。彼は屋久島ガイドをしている。


船員から「今日は波が高いので、濡らしちゃいけない荷物は中に持っていってください」と注意があった。カブは屋根のないところに固定されたから、間違いなく濡れる。濡らしちゃいけないって、雨だからか?そのときの私はそう考えていた。


船内は二等の雑魚寝部屋で、窓側のコンセントがある場所を陣取った。制服姿で、ちょっと偉そうな帽子を被った人が部屋に来た。船長だろうか。「皆さん、絨毯を汚さないでくださいね」とニヤニヤしながら一言言って、去っていった。昭和感漂うレトロな銀色の洗面器が、入口付近の棚の上に積み上げられていた。なるほど、これを使えということか。

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フェリーは間もなく出港した。はいびすかすと比べると、小さな船だ。堤防より沖に出ると、直後に大揺れが始まった。高い波に乗り上げては、急下降を繰り返す。飛行機で例えるなら、気流の安定しない日にエアポケットに入っては落ちる感覚。ジェットコースターなら、上昇と下降の連続。胃の辺りがヒュッと裏返る、あのマイナスG。それを感じた客から、悲鳴か笑い声かのどちらかが聞こえた。

私は最初は笑っていた。余裕だった。ジェットコースター好きにはたまらない。

窓には砕けた波が大量にかかる。スプラッシュマウンテンの最前列なんてもんじゃない。湯船の水を一度にぶちまけた以上の水量で、外が見えなくなる。窓のパッキンが甘くて、しばしば海水が入ってきて船室の荷物にかかった。
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この波だから「濡らしちゃいけない荷物は中へ」だったのか。まあ、船内でも一部箇所では濡れているが。チドリ号さびさびになりそうだ。

余裕もつかの間。延々と続くマイナスGと戦ううちに、気分が悪くなってきた。積んであった洗面器は、気づいたら随分と減っていた。周囲からは嘔吐していると思われる音、声が聞こえてきた。その音を聞いて余計に気分が悪くなった。見ない、聞かないように心がける。胃の中を空っぽにしておいて良かったと思った。

進行方向に頭を向け、仰向けになった。落ちるときに息を吐き、高波に乗るときに息を吸う。このサイクルだとマイナスGが幾らか緩和されることに気づいた。呼吸を整えた結果、屋久島につく間に少しだけ寝ることができた。

港に着くアナウンスで起こされた。堤防内に入って、少しは波が治まる。起き上がると、胃が踊っていた。洗面器を取りに行く気力もなく、しばらく立ち上がるのが困難だった。私を見かねた隣のおばちゃんが、酔い止めをくれた。今更飲んでも・・・と思って飲んだが、変わらなかった。おばちゃんは余裕だったみたいだ。

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こんなに酔ったのは初めてだった。グロッキーなのは、カワベ氏も同様だった。もう荒れてる日には乗りたくない。最終的に、銀色の洗面器は2つになっていた。
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屋久島のライハ、とまり木に宿泊。2千円/日。水道とホースを借りて、チドリ号にかかった潮水をとりあえず流した。

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踊ってた胃も落ち着き、多少の食欲は戻ってきたので夕飯。
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この日の宿泊者は4名。誰かが買ってきた屋久島の焼酎、三岳(みたけ)でプチ宴会。焼酎は苦手で飲めないんだけどね。
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これ、どんど揚というらしい。私が知ってる名称は『歌舞伎揚』だ。
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船に揺られて疲れてしまったので、早めに就寝。



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by chidorigo | 2015-06-05 06:00 | 九州編 | Comments(2)