12月5日 曇/ニワカ雨 屋久島一周
屋久島の朝。私が楽しみにしていた場所のひとつだ。ライハとまり木のベッドで気持ちよく目覚めた。朝食にパン1枚とコーヒーがサービス。あと、風呂と洗濯機も無料で使える。これで2千円なら悪くないと思う。 ![]() 昨日、宮之浦岳へ登山に行ったライダーがいた。彼曰く、「ひと山越えたら吹雪で、雪が積もっていて足が埋もれた」そうだ。屋久島に来るのが遅かった。宮之浦岳は本格的な冬山と化した。はやぶさ延期の間に季節は進んでしまった。いくら九州最南端とはいっても、標高2000m近くの山では雪が降り、雪山となる。 今回は雪山に挑むなんて考えは微塵もなくて、冬装備を持ってきていない。2泊3日の避難小屋泊の縦走は無謀といえる。命あっての日本一周。泣く泣く断念した。 予定を変更して、屋久島一周のプチツーへ出かけた。10時にライハを出発。 屋久杉を使ったアクセサリーショップ樹乃香(きのこ)に寄ってみた。北海道から移住してきたオーナーは話好きで、私が店内を見ている間中ずっと喋り続けていた。観光シーズンはガイドをやっているとか。移住してくる人は、ガイドとかカフェをやって生計を立てる人が多いようだ。 ![]() 500円でランチできる店はないかと「ない!島は物価が高いからねー」と言われた。私がお昼に行こうと考えていた「ノマドカフェの向かいにほらぶちという地元喫茶があるから、そこなら主人に相談すると何か出してくれるかも」と教えてくれた。 あと、今が旬のハガツオ、ホシガツオが旨いから是非!と勧められた。屋久島に人が来るのは夏が多いから、知名度が低い。冬の名物だそうだ。 ![]() 教えてもらった瀬山鮮魚店へ行くと、奥からおばちゃんが出てきた。ハガツオはあるという。「どのくらい?」と聞かれる。どのくらい?の見当がつかない。1人前ってどのくらいなんだろう。何切れ、というのもピンとこない。今日一番の客で、ハガツオ丸々一匹を目の前で捌いていく。手際よくて、あっという間に切り身になった。 ![]() ![]() ![]() 350円/100g。5切で200円、それじゃあ少ないから500円分いただいた。新聞紙を凍らせたものをつけてくれた。これならごみが出なくてエコだ。アイディアだなーと思った。 ![]() ほらぶちへ行ってみた。「ぇ、ここ?」っていう感じで、傍から見たら喫茶店感が全くなかった。メニュー見たら、ピザ・グラタン400円、ドリンク280円。・・・・高いな。迷っていると、外に座っていた地元のおばちゃん(常連)から、「ここのピザとかはレンジでチンするやつだから、だったらAコープで買って食べた方がいいよ」とのアドバイス。 ![]() お腹空いたし、それも面倒なのだ。迷っていたらポンカンくれた。「うちに赤飯あるから取ってきてあげるよ。待ってて、15分くらいだから」おばちゃんは、私の返事も聞かずに帰ってしまった。 ほらぶちのマスターに「500円で何かいただけないか」と聞いたら、カフェオレと肉まん(関西の有名店のやつらしい。レンチン)を出してくれた。 ![]() 程なくしておばちゃんが戻ってきた。タッパー入りの赤飯と、外のコンロで焼いた魚の一夜干しをいただいた。ダースという魚で、太刀魚みたいな細長い魚だという。 ![]() ![]() 塩焼きで、身はプリッとして美味しかった。味が薄かったから、甘口醤油をつけて食べた。九州南部は、醤油が甘口なのだ。ただ、小骨が緑色だったのが衝撃的だった。こんな魚がいるんだ!地元の人は、緑な小骨を気持ち悪がって食べない人も多いんだとか。別に私は気にならなかった。 ヤコウガイを見せてくれた。貝の外側を削って、貝特有の虹色を発する層を使ってアクセサリーを作るんだって。工程途中の貝を見せてもらった。 ![]() 島、面白い。とても面白い。皆気さくな人たちで歓迎された。普通の観光客や、登山客はこういった地元感MAXな喫茶店には来ないだろう。こんな珍しいものを見る機会もないだろう。旅に特化した旅をしていて良かったと思う。 喫茶店で喋りすぎて、もう14時を過ぎていた。それから島を時計回りに一周した。 ![]() モッチョム岳にかかる虹を見た。 モッチョム岳直下にある小学校が、その名も神山小学校だった。確かに、虹がかかるその山は神々しかった。小学校のネーミングセンスありすぎる。 一枚岩を流れ落ちる千尋(せんぴろ)の滝。 ![]() ![]() 大川の滝。 ![]() ![]() 島の西側はアップダウンがあって、1~1.5車線の狭路だった。鹿、猿を頻繁に見かけた。全部でヤクシカ5頭、ヤクサル8匹は見た。 ![]() ![]() ![]() 見かけたときは、すごい!鹿だ!ヤクシカだ!とテンションが上がった。しかし、よく考えてみれば鹿も猿も、地元信州じゃよく見かけるから、別に珍しくもないじゃないか。テンションが上がった理由をよく考えると、「屋久島に生息している固有種に会えた」ことに行き着いた。 ウミガメも産卵に訪れる。かなり荒れていた。 ![]() ![]() ![]() にわか雨を降らせていた雲の隙間から、青空がのぞいた。海を挟んで島が見える。口永良部島だ。このとき、この島が約半年後に噴火するなんて想像もしていなかった。 ![]() ![]() ![]() 屋久島は海に囲まれた山の島。山は深く、高い。水に恵まれている島だと、豊富な水量の滝を見て思う。誰が呼び始めたのか、正に洋上のアルプス。一周しただけだったが、屋久島すげーところだと感じた(時々言葉遣いが悪いと友人に注意される)。 帰りにスーパーに寄って、屋久島の焼酎2本買って実家へ送った。日没後にライハに帰宅。刺身のために、ご飯を炊いた。 ![]() ハガツオは、歯鰹と書く。カツオかと思いきや、サバの仲間らしい。身はピンク色で、カツオのような透き通る赤色とは違った。味はマグロよりもさっぱりしていた。さすがは隠れた冬の名産。軟らかくて美味しかった。 ![]() ![]() 屋久島は観光地としてチャラチャラしたイメージがあった。軽装で杉を見に行って喜ぶ人たちを見て、何が面白いんだかと思っていた面がある。訪れてみたら違った。屋久島は島だが、山だ。生き物と、水と、海を育む。この島は観光地として開発してはいけない島だ。島を周って、私は感じた。この島には敬意を払わなければならないと。他の島にない魅力と紙一重の魔力があって、人を惹きつけてやまないんだと感じた。 杉にはあまり興味がないが、いつか縦走ついでに見に行こう。 ![]()
by chidorigo
| 2015-06-12 06:00
| 九州編
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自己紹介
真面目に働く社会人のふりして働いている27歳。 旅人希望だが、人生一度は結婚してみたいので、当面の目標はボタン鍋食べることと、結婚することにしておく。 (後者のハードル高め) 2014.7-2015.7 カブ110で 日本一周 2015夏 南ア山小屋でバイト 2015晩秋 東海道3週間かけ踏破 コメントの返信は随時(気が向いたら)行っておりますので、気長にお待ちください。 ブログランキング参加中です。他の旅人ブログが見れます。ついでに私のランキングも上がってやる気出ます。 ![]() ↑クリックありがとうございます(´▽`)ノ 何かあればお気軽に 「chidrigo55@以下じーめーる」までどうぞ。 カテゴリ
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